昔々、村の2人のカダザン族の娘が、薪を採りに山の中へ入って 行きました。小高い丘の上にたどり着いたところで、霧雨が降ってきました。霧雨は悪い出来事が起こる兆候で、霧雨に濡れてはいけないと日頃から言い聞かされていた2人は、雨宿りの場所を探しました。
一人の娘が、傍にあった大きな岩の裂け目を見つけ「これはち ょうどいい・・」と中の様子を覗いてみたところ、なんとその中には、たった今しがたまで誰かがいたように、食卓の上に美味しそうな食べ物がたくさん乗っていました。
「これは素敵!あなたも入って来なさいよ。」と、外にいるもう一人の娘に大声で呼びかけました。しかし、外にいた娘は、岩の裂け目など恐ろしくて、入って行けませんでした。
そのうち雨も止み、木陰で雨宿りをしていた娘が、おそるおそる岩 の裂け目の辺りに行ってみると、そこには裂け目など全く無くなっています。もう一人の娘を大声で呼んでみましたが、返事も無くどこにも見当たりません。娘は、急いで村に帰って、家族や村人達に助けを求めました。
人々は、手に手に鉄砲やパランという鉈、ハンマーなどを持って、その岩に駆けつけ、その岩を叩き割ろうとしてみましたが、小片さえも削ることができませんでした。岩に閉じ込められた娘の家族や村人達は、たいそう悲しみました。
そして月日がたち、ある土建屋の男がその大きくて立派な岩に目をつけました。
「これは素晴らしい石が採れる。頑丈な建物が造れるぞ!」
そしてその岩を崩すべく、ダイナマイトを仕掛け爆発させましたが、その岩はダイナマイトにさえビクともしませんでした。
ちょうどその頃、ピナンパンのセント・マイケル教会の建設準備が進んでおり、その不思議な岩の話を伝え聞いた教会の神父:モンシニヨ・ウオクターは、その不思議な岩に登り、祈りを捧げました。 するとどうでしょう!祈りを捧げた後その岩は、ダイナマイトで崩すことができたのです。岩が崩れる時、多くの村人が岩の周りに集まりました。
村の人々は、昔、岩に閉じ込められた娘が、きっとまだ中にいるに違いないと信じていたのですが、残念ながら崩された岩から、娘は出てきませんでした。 その石は、四角く削られ積み上げられて、セント・マイケル教会に姿を変えました。この教会は、第二次世界大戦中の激しい爆撃にもまったく揺るぐことなく、今も美しい威厳のある姿で、人々の心の糧になっています。
このお話は、伝説と言うには余りにも新しく、「本当にあった話」として語られている、ほんの80年ほど前のお話です。










2008 4月 2 11:00 午前
へぇぇ~。こんな言い伝えがあるんですね。
とても興味深いです。
ところで、KKでこういう伝説の本を買うことはできますか?
探しているんですが・・。
それともやっぱり伝承の方が多いのかな。
2008 4月 2 12:51 午後
ちみこさん、こんにちは!
買えますよ! ボルネオの伝説本やサバ&サラワクの伝説の本など。 キナコには、子供向けのが、ちょうどいいです。
キナコは、この教会の近くに長いこと住んでいたことがあって、いろんな話を聞いていて、そして伝説の本を読んで、このキナコ版を書きました。 人によってちょっとずつお話が違うのも、伝承の面白さですよね!
テリマカシ~♪